就職活動に使うSPIと適性検査とは? ふたつはどう違う?

コラム

就職活動で「SPI」や「適性検査」という言葉を目にすることがあると思います。適性検査というぐらいですからぼんやりと意味はわかるかもしれません。仕事の適性を測り、検査するのかな?と思うかもしれませんね。でもふわっとあいまいな理解のままより、せっかくなのでその定義と内容を覚えておきましょう。

なお、適性検査は企業が求職者に求める性格・能力テストで、SPIは適性検査のうちのひとつ、というのが正しい理解です。

適性検査とは? 

適性検査はその名の通り、適性を測るものです。といっても求職者が自主的に受けるモノではなく、企業側が求職者に対して実施するための位置づけだといえます。ストレス耐性、仕事に関連する基本的な能力、一般常識や基礎学力、そしてコミュニケーション能力などが試されます。

一般的に適性検査は企業の90%が導入しているとされるため、社会人なら一度は受けたことがあるものといえるでしょう。また、1952年に最初の適性検査がアメリカより輸入され実施されたため、70年以上の歴史があります。今の大学生の親も受け、下手したら祖父母も受けた人がいる可能性もありますね。

適性検査の歴史は産業発展の歴史とともにあります。個性による生産力のブレをできる限り押さえ、人および組織やマネジメントを科学的に管理しようとしていたアメリカから、戦後に入ってきた検査です。それまで日本は精神論に終始し、あまり科学的なアプローチはされていませんでした。戦争が終わり、産業が発展するに従って、企業が大きくなるに従って広まってきたのが適性検査です。

能力検査と性格検査

そして適性検査には能力検査と性格検査があります。能力検査は文字通り仕事に対しての基礎的な能力を測るものです。一方の性格検査はパーソナリティについて、主観ではなく客観的に見てどのような個性を持っているか、それが会社の求める人材とマッチしているかを見ていきます。

能力検査は、能力の優劣、つまり突出しているか平均的か、それ以下かのレベル感が企業側もわかります。性格検査は個性を測るモノなので人間的な優劣を測れるわけではないのですが、忍耐強いとか、細かいところに気がつくとか、かなり大雑把だけど処理スピードが速いとか、そうしたパーソナリティの違いがかなり正確に取れます。

SPIとは?

さて、SPIとはSynthetic Personality Inventoryの略称です。SPIとは適性検査の一環であり、こちらは国ではなくリクルート社が開発した検査です。いち民間企業が作ったものではありながら、もう40年以上の歴史を持っている歴史ある検査です。

SPIは総合適性検査であり、受けた人の能力が総合的にわかるのが特徴です。たとえば、面接で「自分はいい加減です」と話していてもSPIで「神経質な傾向がある」と出ることもありますし、本人の自己認識イメージと異なる結果がでることもあって、信用されています。

SPIの4形態

そしてSPIは4つの種類に細分化でき、大卒・中途・高卒・グローバル採用と、採用の区分に応じた試験に分けられています。

大卒採用「SPI3-U」・・・大量の問題が出るため、処理スピードが見られる

中途採用「SPI3-G」・・・言語化力を見られ、大卒向けより難易度が上がる

高卒採用「SPI3-H」・・・難問は出ず、やりがいやストレス耐性などが見られる

グローバル採用「GSPI3」・・・日本語力以外の基本的なスキルを見られる

このように採用の区分によって分けられ、少しずつ内容が異なり、また企業側が結果として見ている項目も異なってくるといえるでしょう。

就活で実施された検査は?

ログシップでは、就活を経験した人にアンケートを実施しました。上記の図はアンケート回答者のうちSPIと適性検査を受けた人の割合です。ほとんどの人が適性検査やSPIを受けて就職に至っています。年齢は22歳から47歳と幅広く、40代後半の人でも適性検査を受けた経験がある人がいらっしゃいます。歴史ある試験であることがこの情報からもわかるのではないでしょうか。

では、実際に受けた人のコメントを見てみましょう。


【適性検査を受けて就職に至った人】
性格的な質問に答えていくものと、計算や言葉、ニュースの内容などのテストの二種類を受けました。どちらもそこそこ時間がかかった覚えがあります。性格の分析から向いていることを出してくれたりして面白かったです。良い面より悪い面の方が多く書かれている辛口な文章でしたが、自分に当てはまっていて凄いと思いました。(22歳 販売職)
ひたすら計算をしまくる検査。A3サイズの用紙に、何十行、いや、何百行と言っても、良いくらい数字が並べられている。ラジカセからアナウンスが流れ、左から右の数字をひたすら足し算していく。ラジカセからアナウンスが流れると、次の行に移り、また同じようにひたすら計算をしていく。間違って行を飛ばしてしまっても、そのまま計算をし続けなくてはならない。(マスコミ、46歳)
自分の思考や性格の傾向をグラフで知ることができ、最後に「あなたは〇〇タイプ」と表示されました。今で言うMBTI診断のようなものです。その診断結果を自分でも見ることができるので、その結果を元に面接で聞かれました。(大学病院看護師、22歳)

【SPIを受けて就職に至った人】

1番多かったのはSPIでした。民間企業の選考ではもちろんのこと、私は公務員試験も併願しておりましたが、東京都武蔵野市役所や日野市役所の一次試験ではSPI型の試験が実施されました。公務員試験とSPIでは対策が微妙に異なりますので注意が必要でした。(経理、28歳)
基礎的な学力があるのかどうかを見られていたのだと思います。大学時代に学んだこととは直接関係のないことを仕事では扱わなくてはいけない場面も多いと思いますが、それらについても基礎学力が土台になっていると思うからです。(自動車、27歳)
一般的なSPIをオンラインで受験致しました。時間に追われていたという印象が最も強く、分からないもしくは一歩目が思いつかないような設問は積極的に飛ばしていくことが大切だったと考えています。塾講師のアルバイトが役立ちました。(食品営業、21歳)

まとめ

適性検査とSPIの違いがわかったでしょうか。SPIは適性検査のひとつです。適性検査は国に入ってきたもので、SPIはリクルートがオリジナル。どちらも40年以上の歴史があり、伝統的な総合検査です。

SPIにもいくつかの種類があって、大卒・転職・高卒・グローバルと、採用区分ごとに検査が微妙に異なります。そもそも適性検査やSPIは求職者が自主的に受ける類いのものではなく、企業が準備して求職者に受けてもらう検査です。

その狙いとしては、求職者の思考や内面そしてパーソナリティやストレス耐性などを客観的な指標で見て、総合的に判断するため。仕事は続けていくと思わぬストレスがかかったり、長時間ひとつの作業に取り組まなければならなかったり、局所的に負荷が強くなったりなどの様々な体験が起こります。そのときにどのような反応を見せるかをあらかじめ知っておくという意味でも役立つので、使われています。

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